PerfectBlue 自作シール シール制作 創作 イラスト

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 エデンの園までは険しい道のりだった。天界からやってきたアテナ、六賢使、一等天使の真似き猫帝の計8人は未開の森を抜け、未知の野獣をやり過ごす、先陣を切るのは六賢使の特攻役の戦帝赤ずきんと泰然自若な星童コッペリア。天界一耳が良いと言われる真似き猫帝も帯同したことにより、音を頼りに危険を回避して行く。見るもの聞くもの、全てが新しい。名前も知らない生物を見、名前も知らない植物の間を抜けていく、天界から出たことのないアテナにとって目に入るもの全てが新鮮で、知らぬ間にこの探索を楽しみつつあった。

 やがて開けた場所へと一行はたどり着く、降り注ぐ光がアテナ達を温めるように舞い踊る。

アテナ「なんて広い場所、まるで秋の澄んだ青空のよう」

 言葉を発した後、アテナ達は驚愕の事実を目にする。無の荒野と言われているこのエデンに一人の男が立っていたのだ。

聖シンデレラ「まさか――この未開の地になぜ!?」

 六賢使の一人、聖シンデレラが声を荒げる。

アテナ「想像すらしていなかったが――我々は天界から来た。私は天界ゼウスの娘、アテナ。貴公はこのエデンの民だろうか?」

男「天界からだと? お前ら、いったい何をしに来た?」

アテナ「天界の預言者の告げによって参ったのだ。このエデンの園を探索させてもらいたい」

男「ここはお前らの来るところじゃねえ。命が惜しければとっとと帰んな」

アテナ「悪いがそうもいかない、私は自分の能力について調べるために来ているのだ」

男「なら、力づくで追い出すしかねえな」

 男は槍のような物を握っていた。

(こやつ――この人数差で戦うつもりか――8対1の状況が目に入らないのか)

 だが次の瞬間、2本の光が走った。いや、光のように見える何かが走り、真似き猫帝と戦帝赤ずきんの2人が傷を負って突然倒れたのだった。

アテナ「何事だ!?」

白雪姫天使「投擲です、槍のような武装の投擲による攻撃です」

男「ほう、目のいいやつがいるな」

(投擲だと――!? やつは槍を1本しか持っていなかったはず!?)

アテナ「!?」

 再び光の稲妻が走る、光である以上それを逃れる術はない。光のような槍の投擲により、今度は白雪姫天使が傷を負い倒れてしまった。しかも、男の横にはいつの間にか3本の槍が地面に突き刺さっている。

(どういうことだ!? さきほどまでは1本しか持っていなかったはずなのに!?)

聖シンデレラ「アテナ様、下がって下さい!」

(なんということだ、六賢使と一等天使が全く歯が立たないとは――)

男「どうやら、お前を倒さないと終わらないようだな」

 野獣のような荒々しい殺気、だが氷のような冷たい視線がアテナに向けられる。

アテナ「はっ!」

男「遅い!」

 咄嗟に避けようとするアテナに向かって、投擲された光が直進を始める。

(私はこんなところでやられてしまうのか――まだ自分の能力の正体も掴めていない、探索も始まったばかりだというのに、こんなところで無様に旅を終えるのか――!)

 それは無意識だったか、それとも必然だったか、アテナは自分でも気づかないうちにあの能力を行使していた。光のような速さで直進してきた槍はアテナの体の目の前で、空中で静止していた。謎の能力によって目にも止まらぬ光のような槍の、その動きを止めることに成功したのだ。

男「なんだ!? それは!」

アテナ「好機――」

男「何をしやがった!」

 再び槍が投擲され、アテナへと一直線に向かう。

アテナ「さっきもできたのだ――今度もできる!」

 アテナへと向かう流星のような光は、再び彼女の前で静止した。

男「てめえ、なんだその力は!」

 次々と槍が投擲される、アテナはその一つ一つの動きを止めながら男へ接近して行く。

男「いったい何が起こってやがる、クソッタレが!」

(こやつ、いったいいくつの槍を持っているのだ――)

 投擲される槍の動きを次々に止めながら、男との間合いを詰めていく。およそ30の槍が空中で止められた直後、男の目の前まで到達したアテナのメイスが男の喉元へと当てられていた。

アテナ「勝負あり――と判断してよろしいか?」

男「ちっ、てめえいったい何者だ!」

 だがアテナは男に当てていたメイスを離し、急いで後方へと跳躍する、本能からか戦いの経験からか、ただならぬものを感じた。男の後ろにはもう一人別の男が立っていたからだ。

????「とんだ失態だな、ライガよ」

ライガ「兄貴――――」

????「何の用だか知らんが、この地を踏み荒らす者に容赦はしない。このカミーロが相手をしよう」

アテナ「我々の目的は侵略ではない。この地には目的があって来たのだ」

星童コッペリア「はっ、アテナ様!」

アテナ「どうした!?」

星童コッペリア「悪魔が来ます!」

アテナ「なんだと!?」

ライガ「悪魔が!?」

星童コッペリア「西の方角、数はおよそ40の中軍団。それぞれが小悪魔で接近中!」

カミーロ「ほう、悪魔の数とその能力を感知できるのか、興味深い」

アテナ「なぜこの辺境の地に悪魔が!?」

星童コッペリア「現れました!」

(40体はいるな――なぜこんな辺境の地にこの数の悪魔が――)

カミーロ「仕方ない、先にあの連中の歓迎をするとしよう」

 男は左手に持った本を開き、そのままゆっくりと悪魔の軍勢に向かって行く。

カミーロ「この地に無断で踏み入る輩には俺が相手になろう」

アテナ「あの数相手に丸腰だと――!?」

 悪魔の軍勢へ穏やかな面持ちで進む男の右手には、いつの間にか剣が握られていた。

アテナ「!?」

 見たことのないような速度の剣捌きと颯爽とした身のこなしであっという間に数体の悪魔を打ち倒す。しかしながら、ここで剣は真っ二つに折れてしまった。

アテナ「危ない!」

ライガ「心配いらねえよ、兄貴が負けるわけねえ」

 折れた剣を投げ捨てた男の右手には、今度はハルバートのような武器が握られていた。

(まただ――あの男、丸腰のはずなのにいったいいつの間に武器を!?)

 武器をいつの間にか手にして悪魔を倒し、武器が劣化すると再び新しい武器が握られ、数分もしないうちに悪魔たちを全て打ち倒してしまった。

(しまった、興味本位から見入ってしまった)

アテナ「アリス!」

光天子アリス「はい!」

 光る扉へとアテナ一行が飛び込むと、全員その場から姿を消した。

ライガ「消えた!?」

カミーロ「移送魔法を扱える者がいたか、大したものだ」

ライガ「追わなくていいのか!? 兄貴!」

カミーロ「その必要はない。何かを求めてここに来ているのであれば、きっとあちらからステージの上に上がってくるだろう」

ライガ「やれやれ、そんな悠長でいいのかね――」

カミーロ「それよりライガ、俺はお前の戦いの最後しか見ていない。お前がなぜ負けたのか説明できるか? なるべく事細かく、理論的にだ」

ライガ「――――勘弁してくれ」

(アリスのおかげで少し離れたところに移動できたようだな)

アテナ「オーロラ、今のうちに負傷者の手当てを」

オーロラ賢神「承知しました」

戦帝赤ずきん「お役に立てず申し訳ない――反省してますのです」

アテナ「コッペリア、悪魔を感知してくれたおかげで助かった」

星童コッペリア「うっ、そんなことないですー」

聖シンデレラ「それにしても不可思議な能力を持った者達でしたね」

戦帝赤ずきん「あれって魔法でしょうか? 天界でも見たことのないような魔法だと思いましたのです」

光天子アリス「いつの間にか武器増えてるやつ? 私も増やしてみたい!」

白雪姫天使「後から来たカミーロという男の能力も気になりますね――」

光天子アリス「いつの間にか武器持ってるやつでしょ? 私もやってみたい!」

アテナ「負傷者の手当ても必要だ、今日はこのあたりでキャンプを張るとしよう」

 時は既に夕刻、空気が澄んでいるのだろうか、この地の夕刻の景色もまた佳である。温かい火がその場にいる全員を休ませるようにゆっくりと燃え続けている。既にアリスとコッペリアは寝息を立てて眠っていた。無の荒野と思われていた地に謎の二人の男と謎の能力、なぜか突然現れた悪魔の軍勢――――私は嵐のような一日を振り返っているうちにいつの間にか眠りについていた。

第1話「エデンの民」のシール一覧
スーパーアテナ
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光天子アリス
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聖シンデレラ
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白雪姫天使
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戦帝赤ずきん
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オーロラ賢神
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星童コッペリア
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真似き猫帝
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スクリー魔ー
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